エストニアで新卒就職したら、”東大卒”に何の意味もなかった。

エストニアスタートアップ
ドラゴン桜(漫画)より。

最近ダウンジャケットを着ています。今日の最低気温は10℃。もう夏はどこか遠くに行ってしまいました。

エストニアに来てから感じる「東大卒」の無意味さ

ところで、私は東大を卒業しました。(なんかやな感じ〜〜)

今年の3月に東大を卒業して、7月からエストニアにあるスタートアップで働いています。

日本で就職したことはないので、新卒で初めて正社員になったのが、エストニアになります。

エストニアに来て、わたしの「東大卒」という肩書きの無意味さをひしひしと感じる日々です。

(無意味さを感じる、って日本語おかしいですね)

今日は、なんでエストニアで「東大卒」が無意味なのかー少なくともなんで私がそう感じるのかーについて書きたいです!

①東大卒のセールス<<<<<エンジニア

エストニアに限ったことじゃないのかも知れませんが、ここでは「どの大学出たか」はほぼ気にされません。

 

それよりも、何ができるのかを圧倒的に重要視します。

例えば、私は、東大卒だから就職できたんじゃ無くて、「日本語と英語を話せる日本人」を探していたから、就職できただけだと思います。

 

たとえば、大学を出ていなくても/無名の大学出身でも、この条件さえクリアすれば、私の会社は採用していたはずです。

 

私の会社で一番お給料が高いのは、やっぱりエンジニアです。でも、その採用にどこの大学を出たか云々はほとんど問われていないようです。「何をしてきたか」、そして「何ができるのか」。後者の方が重視されている気がします。

たとえ経験が浅くても(就職経験が無くても、自分でWebサイトを作っていたりとか)、ちゃんと仕事が出来そうであれば、少なくとも私の会社では採用されています。

給料の低いエストニアでも、エンジニアだけはやっぱり給料良い。

逆に、私には、日本語・英語っていうスキルくらいしかなくて、「東大卒」は肩書きだけ。

経営難になって、クビになるとしたら一番私が早いと思う。だって、一番スキル無いから。

 

②学歴スクリーニングが無い。

日本でも、就活していた時期がありました。

まことしやかにささやかれていたのは、「東大生ならエントリーシートで落ちることはない」っていう噂。

それは、もしかしたら多くの企業で本当だったかも知れないです。

確かに、就活してたときエントリーシートの段階で落ちたのは、とあるトイレの会社だけでした。(こんなに、好きなのに。。。。)

ある一定の大学以上じゃ無ければ、そもそもエントリーシートも読んで貰えないなんて話も本当か、嘘かわかんないですが、聞いたこともあります。

 

「東大だから、即合格!」っていうのはなくても、学歴フィルターは、最初の段階である程度あるのかなと思ってます。

日本の就活システムだと、大企業は一気に大量の履歴書を受け取るわけだから、学歴でフィルターかけたくなるのも分かる気がします。

やっぱり、いっぱいあったら見るの大変だろうね

でも、エストニア(だけじゃなくて、多分ヨーロッパ全体?)では、そもそもそんなに大きい企業が無いっていうのと、就職活動が一斉スタートじゃ無いから企業も履歴書を大量に受け取らなくて良いから、学歴で落とすことはほぼないと思います。

 

むしろ、学歴だけあって、何もスキルがない人は落とされる

高い学歴は、「ポテンシャルあるんです!」ってことはわかっても、「じゃあ、今何ができるの?」ってことがわからない。

新人教育がほぼ0なので、今から何かできてくれないと困るんだと思います。

 

③そもそも東大知られてない。

「それを言っちゃあ、おしまいよ」なんですが、そもそも東大ってヨーロッパであんまり知られていないなと思います。

今まで、海外で東大のことを知っていた人は、主にアジアの人が多いです。特に、韓国と中国の人。

あとは、理系で何か研究しているアメリカ人に、東大知ってるよ〜!って言われたことある。

あと、日本マニアの外国の人。ドラゴン桜(ドラマ)を見ていた外国人から、「東大めっちゃすごいじゃん!」って言われたことあります。

ドラゴン桜(漫画)より。

でも、そのくらいです。

肩書きで勝負したい!っていうなら、東大だと無理かも知れないです。悲しいけど。

アメリカとかイギリスの有名大学出てないと、学歴勝負は無理な気がします。

 

④”東大”が意識されないのは、辛いような、楽なような。

正直、日本にいたときは、東大生であることをちょっとは誇りに思ってた気がします。

ていうか、今も思ってる節ある。

だって、日本ではすごいこととされてるし(多分)。東大がちやほやされるぬるま湯につかっていたら、気持ちいいときもある。初めから、「あいつは東大だから、なんか出来るに違いない」って期待して貰えるし。

 

どこかのアメリカの学校での実験だったと思うんですが、先生に嘘の成績表を渡して、クラスを担当させると、「成績が良い」という情報を貰っていた生徒の成績は本当に良くなるらしいです。(ピグマリオン効果っていうらしい)

そのくらい、最初から期待があると、周りも成長させようとするというか。。。

例えば、その生徒が失敗したとしても、「教え方が悪かったのかしら?」みたいに先生は思っちゃうらしいです。

 

逆に、こっちでは私に対する期待なんて別に無い。

失敗したらしたで、「できないやつ」って思われるだけ。これが、意外と辛いかも。

 

と同時に、楽だな〜〜〜〜とも感じます。日本で東大って言ったときに、「じゃあこんなの簡単だよね〜」と言われたりとか、そういうプレッシャーもあったから。

私は記憶力があんまり無いので、良くバイト先とかで色々失敗してたのですが、「東大生なのに、なんでこんなこともできないの」みたいなそんな雰囲気を感じたりもしたから。

 

でもこっちでは、「なぜかエストニアにいる若い日本人」でしかないので、最初から期待も無ければプレッシャーも無い

それは辛いときもあるけど(私東大出てんのに…って月に2回くらい思う、すごい自意識、やば。)楽なときもある。

 

⑤学歴の無意味化は世界トレンド?

ちょうど最近、Googleが大卒を求人条件に入れていないと話題になってましたが、Glassdoorがまとめた調査によると、Googleだけじゃなくて、AppleやIBM、スターバックスも大卒を条件に入れていないらしい

巨人たち

やっぱり、東大卒が無意味に感じるのは別にエストニアだけじゃないんだろうな〜と思う。

 

私みたいに、学歴だけあってあんまりスキルない人は、日本で就職して新人教育しっかり受けて、それから海外に行った方が楽なのかな〜とか、

そして、逆に、学歴はないけど、プログラミングだったり、一人で起業経験があったりする人は、海外にばーんと出た方がちゃんと評価されるのかな、と思ったり。

 

日本で就職したこと無いから、どういう感じかわからないけど、エストニアにいると、このままじゃやばい!!!ってよく思う

誰も、私に何か教えてくれるわけじゃ無いし、自分で何かスキル付けないと、キャリアアップも転職もできないんじゃないか……と。

 

日本にいたら、どうだったんだろう?ってたまに考える。

東大出て、良い感じの会社(ってどこ?)に就職したら、自然と良い感じのキャリア(ってなに?)が歩めたのかな〜とかたまに思う。先輩とかが最初は教えてくれたりさ……。

日本の就活とか新人教育とかよく批判されがちだけど、まっっったく新人教育がないところに勤めてる今、新人教育が無いのもどうなのかな?と思う。

最初から全部自分でやらせるよりも、ある程度教えた方が後々効率良いんじゃないか?と思ったり。

 

まあないものねだりかもしれないです。

あと、「日本にいたら……」っていう妄想もたらればだし、日本で就活してたときはエストニアにどーーーーーーーしても行ってみたかったので、もし今来てなかったら、日本で「エストニアだったら……」とかくだ巻いてたと思います。

 


まとまりの無い文章になっちゃったけど、未だに東大云々言ってるってことは、相当自分の中で東大卒の自意識が強かったのかな?と思います。結構やばい?

ていうか、日本にいたら、そう感じるのはおかしくないような…..。東大の意味が大きすぎるような気もするし。

 

でも、せっかくなので、エストニアでは何にも役立たない東大の肩書きを、このサイトでは使おうと。もう東大生じゃ無いのに、「東大女子、エストニアで働く」とか言ってるし。でも、東大の肩書きを使いたい、私の小さな悪あがきだと思って、見守ってください。

 

日本でもこれからどんどん学歴は意味なくなるのでしょうか?

(質問で終わらせるやつ。)

Comments

  1. mi says:

    母国である日本にいるとビザが必要ないため、大学の学部は関係なくエンジニアやデザイナーになれますが、エストニアもそうなのでしょうか?

    ドイツで就職先を探していた時は、高卒だとビザが降りない、大卒であっても関連学部を卒業していなければ条件を満たさないことがほとんどでした。

    “エストニアでは高卒でも〜”
    とありますが、EU圏外の外国人の場合であってもビザが取得できるのでしょうか?

    ご回答よろしくお願いします。

    • Yumiko Kijima says:

      コメントありがとうございます!

      私の働いているエストニアの会社では、応募要項に「大卒」は無かったです。そして、たとえあったとしても、インタビューの時点で過去やってきたこと等を示せれば気にしない会社が多いと思います。(そのくらい人(特にエンジニアやUXデザイナー)が足りないので)
      そして、会社に雇われさえすれば、ビザはおりるはずです。エストニアでは今D-visaという短期労働用のビザがあるのですが、(1年未満)、そのビザであれば比較的簡単におります。
      https://vm.ee/en/long-stay-d-visa
      エストニア外務省のD-visaのページを見てみましたが、大卒などの条件は見当たりません。

      ただし、エストニアでは外国人を雇う場合の最低賃金というのがあって、高スキルを必要とする職ということが認められないと、外国人の雇用は難しいようです(エストニア人から、職を奪うことになってしまうため)。スタートアップなどではほとんどIT関係の外国人雇用が多いので、条件を満たすと思いますが。
      「〜はずです」、「〜思います」という回答が多くて、すみません。

      ドイツでは高卒だとビザがおりないというのは初耳でした!ビザの要件として、大卒があるんでしょうか…?
      私が今知っている限りだと、エストニアでは雇用先さえ見つかれば、短期ビザはおりると思います。

  2. yuu says:

    母国である日本にいるとビザが必要ないため、大学の学部は関係なくエンジニアやデザイナーになれますが、エストニアもそうなのでしょうか?

    ドイツで就職先を探していた時は、高卒だとビザが降りない、大卒であっても関連学部を卒業していなければ条件を満たさないことがほとんどでした。

    “エストニアでは高卒でも〜”
    とありますが、EU圏外の外国人の場合であってもビザが取得できるのでしょうか?

    ご回答よろしくお願いします。

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