高校生の時に有志でカナダにホームステイするプログラムがあった。
有志と言っても、その学校の伝統プログラムの一つだったので、半数以上の生徒が参加していた。
元々はイギリスのホームステイだったのが、安全上の理由から私が入学した後にカナダに変わっていた。
たまに自分は運を持っている、と思う時があるのだけど(調子のいい時だけ)、まさにこのカナダのホームステイ先は大当たりだった。
まず、料理が好きなホストマザー。これは一緒に行った子達の中で、かなり稀有だった。私の友達は、たまたまヴィーガンの家族で、キャベツだけを夕ご飯に食べたりもしていた。もしくは、カビの生えたパンが出てきたという子もいた。
学校の名誉のために言うと、ものすごく厳選して家族を選んでいるかつほぼ無償なので、お金目当ての家族はいないはずで、ただ料理はそんなに充実していないところが多そうだった。
カナダの食事は簡素だよと忠告を受けていたわけだが、私のホストマザーは例外だった。外食も好きだから、インド料理をテイクアウトしてくれたりもした。あと、私が自分でも覚えていないが、事前のアンケートで、セロリが苦手と書いていたらしく、絶対に料理にセロリを使わないようにとかしてくれていた。
そして、第二の大当たりは、ホストマザーがとにかく世話好きだった。50代で早期退職していたが、元々障害のある人たちの施設の職員だった。
ホームステイした子たちの中には、遊園地に行った家族に置いてかれて、なぜか留守番する羽目になっていたなんて話もあったが、私のホストマザーは根気強く話しかけてくれて、控えめな日本人留学生にはピッタリな相性だったと思う。
私の後も、2回日本人留学生向けにホストファミリーをしていたくらいだし。
しかも、その後に来た日本人留学生は、長期でカナダに住んでいて、次のホストファミリーもいたのだが、そこでメンタルの病気になってしまって、それに気づいた私のホストマザー(つまり前のホストファミリー)が家に招いたりもしていたらしい。
ホストマザーのことばかり書いちゃったけど、ホストファザーもとてもいい人だった。私が本当にこの人いい人なんだなと思ったのは、みんなでティムホートンズ(カナダのカフェチェーン)に行った時。
若者の店員たちがみんなやる気なくて、その中で1人黒人の男の子の店員だけが(男の子、と書いたのは、中学生とかかなり若く見えたから)テキパキと働いていて、私のホストファザーが帰り際に、彼にだけ「君は偉い、頑張ってる!」って言って手渡しでチップを渡そうとした。
そしたら、その子が「いや受け取れないです」と断って、奥から今度は白人の女性のマネージャーが出てきて、「個人にチップは渡せません。お店のチップ入れに入れてください」と注意してきた。
そこで、私のホストファザーが「この店でオーダーして、注文受け取るまで、まともに働いてるのこの子だけだった。だから、この子に渡したいんだ!」と食い下がり、若干このマネージャーと揉めていた。
ちょっと迷惑なお客さんでもあるのだが、私はこの件に関して、いい印象を持ち続けている。あの店員の男の子は、自分だけちゃんと働いてることをしっかり認めてくれた人がいて嬉しかったんじゃないかと思ったし、ちゃんとやってる人こそが報われるべきだという考えを強く持ってるホストファザーらしい行動だったと思う。
その後に、この話を聞いた、学生時代マックのバイトをしていた(優秀でその後正社員採用かつリーダーにもなっていた)自分の娘に、怒られていたが。。。
ホストファザーは実は養子で、実の親は分からなくて、子供の頃は、トロントで靴磨きなど細かい仕事をして自分でお金を稼いでいた経験があって、その育ちからか、多分真面目に働いてる人に対して、心を強く動かされる部分があるのだと思う。自分もリタイアするまでずっと水道局の仕事一筋でやってきているし。
かといって、働かざる者食うべからずみたいな極端な発想でもなく、事情があって働けない人たちへの同情も持ち合わせている。あと、とにかくアクティブで、孫と一緒にチャリティサイクリングをして、何キロだったか忘れたが、寄付もしていた。
このホストマザーとの会話で一番印象に残っているのが「幸せな家族なんていないんだよ」という話。
このホストファミリーとは合計3回会っていて、1回目はホームステイした時、2回目は大学生になってトロントの語学学校に夏休みだけ通った時、そして3回目はエストニア移住後。
幸せな家族がいない話は、おそらく2回目にしたのかな。1回目の時の英語力でこういう話題まで話せる気がしないから。
内容は割愛しますが、まあとにかく全てがうまく行ってる家族なんていないという話。カナダはそれこそ再婚とかが多いけど、ずっと結婚したままの夫婦でも、再婚後の夫婦でも、どっちだとしてもそれぞれ色々あるよ、という。
今もたまに思い出す話です。
なんで突然ホストファミリーの話を書いてるかというと、ちょうど今日ホストマザー宛に、12ページに渡る長い手紙を書き、投函してきたところだから。
最近ポーランドに1人で旅行に行ってたのですが、その時頭の中で考えていたこととか全てその手紙に書いた。
放出してしまったせいか、いざブログを書こう!と意気込んでワードプレスを開いてみたものの、もうカラカラみたい。
ホストマザーへの手紙は、無計画で書いても、どんどん筆が滑ります。
またカナダに行きたいな。

