エストニアで救急車を呼んだ。費用は誰でも無料【エストニア医療の話】

emergency-care-in-estonia エストニア生活

こんにちは。今、朝の7時なんですが、笑えるくらいに外真っ暗です。あはははは。

最近、人生で初めて救急車を呼んだので(それがエストニアとなるとは)、エストニアでの救急車の呼び方、呼んだ後の流れなどを備忘録的に書きます。

もし今これを読んでいる人で、今すぐ救急が必要な人がいたら、112がエストニアの救急電話番号です。ちなみに、エストニアの警察・消防車も同じ番号です。

112-eu

(EUのほとんどの国で112がEmergency Numberらしい)

気になるのが費用ですが、エストニアの保険に入ってても、入ってなくても、誰でも救急治療は無料とのことです。

Everyone in Estonia has the right to receive emergency care. Emergency care is provided also to persons who are not covered by health insurance, in this case cost are paid by the state.

Work Estonia – healthcare

 

では、以下は、その日の記録です。

土曜の深夜に112に電話→20分足らずで救急車到着

土曜日の深夜110分頃に112に電話をかけました。最初はもちろんエストニア語で「Tere! 何たらかんたら~」と言われました。

が、私はエストニア語ができないので「Sorry I can only speak English, is that okay?(すいません、英語しかできないんですが、大丈夫ですか?)」と聞くと、「Sure, what happened?(大丈夫、何が起きました?)」とすぐさま英語対応に切り替えてくれました。

救急の電話を取る人がみんな英語ができるとは限らないので、今回はラッキーでした。

事情とともに聞かれたのは、エストニアのID番号です。

が、この時焦っていたのか、間違えて番号を伝えていました。間違った番号を言ったせいで情報が見つからなかったらしく、今度は代わりに生年月日・名前を聞かれました。そうしたらやっと情報が見つかったようです。

ただ、エストニアのID番号が無くても救急車は呼べるはずです。先にリンクしたWork Estoniaのサイトにも書いてありますが、エストニアにいる人なら誰でも救急治療が受けれるということなので。

電話をかけた時は、『場合によっては救急車が来ないかもしれない』と思っていました。というのも、エストニアの救急車の呼び方が載っているウェブサイトには、「救急の電話対応をする人が(Emergency coordinator)が緊急性を判断して救急車が必要かどうかを決める」と書いてあったので。しかし、私が電話した人は、緊急性を特に確認している節もなく、はなから救急車を寄越そうとしている感じでした。土曜の深夜だったこともあり、『明日の朝来てください』ということもあり得るかと思っていたのですが

そんな感じでトントン拍子に話が進み(?)、「じゃあ救急車がこれから向かうから、準備しておいて」と言われ、電話が終わりました。

深夜130分頃に、救急隊員が3人乗った救急車が到着しました。早い…! エストニアの医療機関への信頼感がかなり高まった瞬間でした。

10分で大きな病院に到着。翻訳アプリでコミュニケーション

救急車の中では血圧と体温を計られました。

あと、痛み止めの注射もやってくれようとしていたのですが、なかなか血管が見つからないようなのと、注射が怖いのとで、「Can I not do it? I’m actually scared of this(やらないのってありですか?注射怖いんですけど…)」と言ったら、救急隊員の人が笑ってました。「If you don’t want to do it, then it’s fine (やりたくないならやらないでいいよ)」とのことで、注射はやらずに済みました。

10分で病院に着きました。初めて来る、大きな病院でした。

そこでまた看護師隊長みたいなちょっと怖そうなおじさんに事情を聞かれました。そのおじさんに「You can only speak English, right?(英語しかできないんだよね?)」と聞かれました。

さらにもう1人のおじさんの看護師が私についてくれました。このおじさんは全体的に全てが丸っこくて、さっきの看護師隊長がちょっと怖そうなのに対して、『いい感じの対を成してるな…』とかぼんやり考えていました。

humpty-dumpty

(ハンプティダンプティを彷彿とさせる看護師さん)

このコミカルな丸っこいおじさんは、翻訳アプリを使ってロシア語から日本語に訳して私とコミュニケーション取ろうとしてくれました。おじさんがロシア語でアプリに話しかけて、そのアプリから日本語が聞こえてくる仕組み。(なんのアプリだろう?と気になったのですが、わかりませんでした。Google翻訳じゃなかったことは確かです)

そして、そのおじさんのアプリの日本語が5割くらい間違っていて、ややウケました。

ただ、もしこれが命に関わる大怪我だったとしたら、このコミュニケーションはちょっと不安だな、とも思いました。

このおじさんだけではなく、この大病院はあまり英語ができる看護師さん・お医者さんがいない様子でした。土曜日の深夜だったというのもあるのかもしれません。救急隊員の人たちは英語ができたので、安心していたのですが

そのおじさんの案内に従って、レントゲン室に入ってレントゲンを撮りました。

レントゲン撮るときに、ズボンを脱がないといけなかったのですが、おじさんも普通に部屋にいたままだったので、『ちょっと嫌だな…』と思いました。まあ看護師さんからしたら、人間の裸(裸ではないけど)なんて見慣れたもんなのかもしれませんが。

レントゲン撮ってから、ドクターに会うまでかなり待たされる。体感1時間くらい?

レントゲン撮るまではかなりスムーズだったのですが、レントゲン撮った後に、「ここで待ってて」とその丸いおじさんに言われてから(件の翻訳アプリ経由で)、かなーーーーーーーーーーり待ちました。

もしもっと緊急性があるケースだと判断されたら早かったのかもしれませんが、とにかく私は延々と待たされました。

体感で1時間くらいしてから、ドクターの部屋が開きました。

そのドクターは、かなりおばあさん(おそらく70代以上)で、マスクをしてはいるんですが、鼻が隠れていなくて、『医者なのに大丈夫かと少し不安になりました。

ドクターと共に看護師さんもいましたが、2人ともほぼ英語はできない様子でした。奥の方にさらにもう1人の看護師さんがいたのですが、私に説明している看護師さんの英語が詰まると、「~だよー!!」みたいな声が奥から聞こえてきたりする場面もありました。

結局、今は安静にしておくのが一番だとなり、タクシーで帰ることに。

帰り際に、奥にいた看護師さんが出てきたのですが、髪の毛が金髪ショートで前髪だけを赤に染めているファンキーな人でした。「英語できなくてごめんね~」みたいなこと言っていました。

帰りのタクシーはYandexで呼びました。深夜3時半でもタクシーは走ってるもんですね。

yandex-app

(Yandex Taxiはロシア発のタクシーアプリ。昔は「エストニアのサービスを使わなきゃ」と、エストニア発のBoltを使っていたんですが、Yandexの方が安いことが多くて最近は鞍替え)

しかし何気に一番怖かったのは、このタクシーでした。

運転手さんがマスクはしていたのですが、鼻ズルズル・たまに咳き込むを繰り返していて、『ヤダよーーーーー!』と思うと共に、『運転手さんこそ病院行った方がいいのでは』と思わずにはいられませんでした。気持ち程度に、Yandexのアプリ上でチップも足しました

エストニアの医療への信頼度が高まったような、そうでもないような

112にかけてから、すぐに救急車が来たこと、すぐに病院に着いたことでは、エストニアの医療体制への信頼感・安心感が高まりました。

あと、エストニアの保険に入っているいない関わらず、全員に救急治療は無料というのも、ありがたい仕組みだなと思いました。(私は保険に入っていますが)

ただ、病院でのコミュニケーションが英語だけではギリギリだったことは、少し心配に。

『いやエストニア語学べよ』って話なんですが、普段のタリンでの生活があまりにもエストニア語なしで送れてしまっているので、なかなかモチベーションが上がらず。

普段のかかりつけ医(ファミリードクター)も英語でコミュニケーション取れていたし。

でも、今回の経験を通して、英語だけだと不安だなと思いました。私がエストニア語できるようになるのが先か、翻訳アプリの性能が高くなるのが先か……どうでしょうか。

 

月並みですが、医療従事者の人たちには感謝です。まじで。(とつぜん)

Aitäh & Спасибо

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