エストニアで、極右の政党EKREが台頭してる。連立政権に入って、与党になってしまうかもしれないほど。
そんなゴタゴタの中で、#kõigieesti(#myestoniatoo)というムーブメントが起きていた。要はエストニアの自由を守ろう、エストニア団結しよう~みたいな動き。
草の根運動で出てきたそのムーブメントを発端に、先日(先週の日曜日)、タリンで無料コンサートがあった。
#kõigieestiコンサート:1万人が歌って、国旗振って。
コンサートで、ロシア語の曲、ロシア語の司会者がいたのが印象的だった。(もちろん、エストニア語の曲もあるし、エストニア語の司会者もいた)
極右政党EKREは外国人に対してだけじゃなくて、ロシア系エストニア人にも排他的な姿勢があるから、ここのコンサートでロシア語の曲、ロシア語の司会者を用意したのは反EKREのムーブメントとして象徴的だなと思った。
独立100周年の歌のイベントの時も思ったけど、エストニアの人たちは、まぁ歌が好きねぇ。
シャイなイメージあるけど、歌唱は本当に盛んなようで、普通、国に1つあれば十分な国の公式歌唱団が、エストニアにはなぜか3つもあるらしい。福岡市の人口しかいないのに…。
あと、国旗も大好きね。
国旗ふりふりしちゃって、わたしは「え…」って毎度新鮮な気持ちでちょっと引いちゃうんだけど、エストニア面白いなって思うのは、愛国心と反保守が両立してるっぽいところ。
極右の人はもちろんだけど、その極右に反対する人たちも、愛国心が強そうなのが面白いなーって思う。
国旗の持つ意味が、日本とは違うのかなあ。
わたしだったら、日本の国旗をイベントで振るとかちょっと躊躇しちゃうもん。シチュエーションにもよるだろうけど。
特に、他国を植民してた歴史がエストニアには無いから、国旗も無垢にふりふりできるのかな。
むしろ植民されまくりの歴史だった訳だから、国旗=独立して良かった!みたいな意味合いが強いのかしら。
そんな訳で、エストニア国旗を掲げてる人たくさんいた。facebookのイベントの注意書きにも、国旗持ってくること歓迎ですって書いてあったし。Rimi(ラトビア系のスーパーね)にも常に国旗売ってるから、国旗が身近な存在なのかもね。
テロとか大丈夫?と心配してたけど。
EKREの支持者にとっては、微妙なイベントな訳じゃないですか。別に、EKRE反対!とは言ってないけど、まぁそういう意味もあるわけで。
だから、サポーターの人がイベントを邪魔しにくるんじゃないかとか若干怯えてたんですよね。イベントの注意書きにも、「手荷物検査がある」みたいに書いてあったし。
だけど、会場行って、拍子抜け。警察も来てたけど、なんか談笑してるし、特に検査とか無く、ゲートもさーって入れちゃった。
「そんなんで大丈夫か、、」と心配にもなったけど、まぁ杞憂に終わったから良かった。
結局コンサートの甲斐もなく…?
今日出たニュースによると、EKRE、政権入りしちゃうっぽい。
中央党のRatas(現首相)が、中央党ーEKREーIsamaaでの連立政権を建てるための支持を議会から賛成55票、反対44票で得たらしい。
ちなみに、選挙で勝った改革党の党首、Kallasさん(次期首相になると目されていた&そしたら女性大統領と女性首相の国になったのに…)は今週の月曜日、既に政権を建てるための支持を議会から得ることに失敗してる。(賛成45票、反対53票、棄権2票)
わたしの目に間違いなければ、先週の日曜日のコンサートにKallasさんも来てたはず。それか彼女のドッペルゲンガーが来てた。
#kõigieestiのムーブメントがどれだけ実際の政治に影響与えたのか(また与えなかったのか)はなんとも言えないところだけど、見た目からガチガチの外国人としては、こういう風に声あげる人がいるってのは嬉しいなとか思ったんだけどね。
まぁ外国人守るためってだけじゃないのはわかるけど。EKREは、移民だけじゃなく、同性愛も反対だし、中絶も反対だし、ロシア語教育も反対なので、いろんな理由でこのムーブメントに参加した人がいるんだろうなと思う。
まあしかし、議会の結果を見ると、なんだかエストニアも他のヨーロッパの国々と同じく、おかしな方向に行ってしまいそうで、残念な気持ちも。
一番議員数が多い政党は、選挙で勝ったKallasさんの改革党なので、ねじれ国会みたいになるんですかね。これからエストニア、どうなって行くのかな。