新卒海外就職した会社が、日本もびっくりのブラック企業だった話。

company_character_black 新卒海外就職

こんにちは。ネタ帳(ブログの記事アイディアを書くノート)に、「2ヶ月だけなのにネタの宝庫、ヤバすぎるエストニア1社目」というメモが書いてあり、我ながら興味をそそられたので、今回は、エストニア1社目でのヤバい出来事たちについて書きます。

 

ヤバい度の低いものから。

 

☆ 面接で話してる英語が全く聞き取れない

「それは、あんたの英語力が低いのでは?」という声が聞こえてきそうですが、同僚たちも「正直、面接で何言ってんのか意味わかんなかった」と言ってたので、会社側の問題な気がします…。

 

面接を担当したのは、社長(この人も相当ヤバい)の右腕のキャリー(仮名)です。キャリーは、人が理解してようがお構いなしに話し続け、かつ英語のアクセントが独特でした。

 

キャリーと一緒に弁護士として働いていた人曰く、「何を言ってるかわからなすぎて、裁判でも、相手側が反論できないから、よく勝ってた」らしいです。

 

☆☆ 「Is your brain EMPTY?!?!」のメッセージ from 社長

私たちのチームは、FacebookのMessengerでやり取りすることが多かったのですが(今思うと、その時点でかなり嫌)、社長とキャリーがまあキレるキレる。人ってこんなに些細なことでキレることができるんだ…!って感心してました。

 

会社の各SNSでの投稿を私ともう一人の同僚で担当していたのですが、ある時、どこかのSNSメディアに投稿し忘れていた時に送られてきた怒りのメッセージです。

 

しかしそもそも、社長が決まっていた投稿内容をコロコロ変えたり、土曜の夜に、「今投稿して」と突然予定を変えて連絡してきたりしたせいで、ミスが出たところもあると思うんですが。

 

とにかく、社長とキャリーは、常に恐怖政治で私たち社員をコントロールしようとしていたのですが、それが裏目に出っぱなしでした。「ミスしたら怒られる、あいつら(社長及びキャリー)をなるべく怒らせないようにしなきゃ…」と社員はビクビクしながら仕事しているから、逆にミスする。そういうことが多かったように思います。

 

☆☆☆ いつまでたっても、ビザ用意されない

これ、星3つでいいのかどうか…。まあ、自分的にそんなに実害がなかったので、このレベルにしておきました。

 

「Dビザを申請するからね!」という約束で来たのですが、いつまでたってもされない。私だけではなく、他の同僚たちも同じ状況。

私より先に入社していた同僚たちは、観光ビザが切れて、でも、就業ビザも用意されないので、一旦母国に帰ったりしていました(まあヨーロッパ圏で近いから、日本に帰るほどの打撃はない)。

 

私に対する元々の約束は、観光ビザで3ヶ月までいられるけど、その間にDビザを申請・用意するという話。しかし、やっと会社が動き出したのが、私が働き始めてから2ヶ月経った頃。

 

しかも、その頃に、私はすでに会社を辞めるとほぼ決めていました。

 

なので、エストニア移民局にも電話して、「こうこうこういう事情で、2ヶ月すでに観光ビザの期間を使って働いていて、で、もし今会社を辞めたら、残りは1ヶ月しか無いってことですよね?」と確認したりしました。

 

エストニア移民局の人は、私の話をウンウンと親身になって聞いてくれて、「I really hope you can find a new job and can stay in Estonia」と最後に言ってくれたことが今も記憶に残っています。優しい…!

 

☆☆☆☆☆☆ ’’見せしメール’’

一気に上がって、星6つに輝くのは、社長からのマーケティング部署に一斉送信されたとあるメール。題名は、「Congratulations!」。

 

今月のSilver Medalは、アントニオ!

そして、Gold Medalは、アレクサンドラ!

 

なんのメダルかって?今月、一番仕事をできなかったやつだよ!

 

二人とも、今月の給料から、マイナス500ユーロにするから。

 

本当に、二人の給料がマイナス500ユーロにされたかは知りません。でも、これは社長とキャリーの恐怖政治の一環。見せしメール(技の名前)です。

 

あまりにも酷すぎて、ショックだけど逆に笑えました。

 

変わり種☆ 社長の迷言「そりゃケバブ屋みたいに配ってたらうまくいかないだろーな!(怒)」

この会社(というか社長とキャリー)は、スタートアップ関係のイベントに社員を出させて、パンフレットを配らせるのをよくやっていたのですが、タリンのイベントでパンフレットを配ってる会社なんていないし、配っても持って帰らない人も多い。

 

なので、「パンフレット配るの、あまり意味がないんじゃないんですか?」と私がメールに書いたところ、「お前がそりゃ、ケバブ屋のチラシみたいに、道にいる誰彼構わず配りまくってたら、うまくいかないだろ!興味を持った人にだけ効果的に配れよ!」という怒りの返信が、即レスで返ってきました。

 

言いたいことは、わかる。

 

メールもメッセージも、書き方を変えたほうが社員はもっと働くようになると思うのに、威圧的な態度でますます社員の意欲を削いでいるようにしか見えない社長とキャリーでした。

 

今思い出すと、ケバブ屋って……。面白い。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 給料の遅延&未払い

これが会社として最悪の出来事でしょう。

 

私が辞める前から、給料は遅延しがちで、あるときは、遅れるのを見越して、私の同僚が彼女の口座から立て替えて、現金で給料をもらったことも。(彼女は、より社長に近いポジションだったから、責任を感じて立て替えてくれたのかも。彼女のせいではないのに)

 

私が辞めた最終月の給料は、遅延しまくりで、最終的にもらえたのは、辞めてから4ヶ月くらいたった時だったような。

 

でも、これでも私はラッキーな方で、結局給料がもらえないまま辞めた人もいるようです。

 

一方で、よかったことも

ブラック企業が多いという日本からエストニアに来て、わざわざ日本もびっくりのブラック企業で働いていた時は、「ナニコレ」と思っていましたが、良いこともありました。

 

まあたくさんはないんですが。

 

最初に思い浮かぶのが、ラザールとメロディに知り合えたこと。メロディは、Youは何しにエストニアへ?の第一弾記事に出てた子です。

 

二人とも、同じ会社で働いていた元同僚たち。

 

セルビア人のラザールは、独学でエンジニアになり、エストニアの方が給料が数倍給料がいいからと、セルビアから移住。自分の稼いだ分から、家族の家のローンを返していたりする家族想いの青年。

 

彼が育った地域は、紛争の過去によって結構荒れていて、いかに道で喧嘩をふっかけられて殺されないかという生き残り術(ポイントの一つは、幸せそうにしないことらしい)を私に教えてくれたり、「フラットメイトと仲が悪い」という相談をしたら、「まずは餌付けしろ…そして、一つでもいいから、その人の好きなところを思い出すんだ」と処世術も教えてくれたり。

 

メロディは、後から入社したんですが、なんかすぐに3人で仲良くなった。

 

オフィスで空いた時間にジェンガしたり、みんなで近くのスーパーにお昼買いに行ったり。

 

私がこの会社で働いていたのは2ヶ月間だけだったけど、今働いてる会社(もう気づけば3年目)の同僚たちよりも、ずっと仲良かったと思う。社長やキャリーという共通敵がいたことと、同じオフィスで働いてるのがほぼ私たち3人だけだったのが仲良くなった理由かもしれません。

 

ラザールは、セルビアに帰りリモートでエンジニア職を続け、メロディも夢だったアメリカでのUXデザイナー就職を叶えている。

 

というわけで、今もエストニアにいるのは私一人。また世界のどこかで会えるといいです。

 

エストニアの1社目のヤバい話をしようとしたら、最終的にはラザールとメロディを恋しく思う話になっちゃった。

 

あ、あとよかった点はもう一個あります。

 

転職を早々に経験できたこと。

 

これで、転職へのハードルが下がった気がします。

 

もし次また転職したいって思ったら、こう動けばいいんだっていうのがなんとなくわかっているのは良いことかなと。

 

CV作ったり、レジュメ書いたりするのは面倒くさいですけどね…。

 

あと、このやばい会社を辞めるとき、次の転職先が決まらないまま辞めたのですが、それでも結果としてはなんとかなったので、やっぱり嫌なことは我慢しすぎない方がいいと思います。

 

日本の会社にも社員に優しい会社があったり、かと思えばブラック企業と呼ばれる会社があったり、いろいろありますが、海外だって似たようなものかもしれません。

 

変な会社に当たらないためには、事前にGlassdoorなどでリサーチしたりもできますが、もし万が一ヤバイ会社に入ってしまった場合は、辞める勇気も大事だと思います。

 

今の会社では比較的幸せにゆるゆるとやっているので、1社目2ヶ月で辞めて良かったです。もしズルズルと働いていたら、今の会社の求人にも気づかなかったかもしれないし。

 

というわけで、今回は昔の会社を振り返ってみました。

ちなみに、この会社はもうエストニアにはありません。なので、エストニアで就職したいと思っている人は、ご安心を…。

 

タリンは恐ろしく暑い日が続いていますが、皆さんも体調にはお気をつけを〜👋

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