エストニアからBlackLivesMatterを考えた

エストニアで生きてる日記

おはようございます。今日は曇りです。最近、動悸とともに朝早く目覚めるのですが、どうすればいいのでしょうか……(今日はAM6:30に起きた)。なんか心臓が高鳴ってるみたいな感じで、朝起きてから数時間はそんな状態です。(そしてこれを書いている今(AM8:36)もまだ少し苦しい…。)

今回は、タイトル通りBlackLivesMatterの話です。

BlackLivesMatterは今に限った運動ではないですが、最近また改めて盛んになっているのは、下のようなことがあったからです↓(きっと知っている人も多いと思うのですが、念のために書きました!)

2020年5月25日に46歳の黒人男性George Floydさんが、偽札を使ってタバコを買おうとしたと疑われ、店員に警察を呼ばれました。到着して彼を取り囲んだミネアポリスの警官たちはFloydさんを身動き・呼吸のできない状態にしました。中でも、Chauvin警官は、Floydさんの首に自分の膝を8分46秒もの間押し付けていたようです(Floydさんが意識を失った後も膝を押し付け続けていたとも言われています)。「呼吸ができない」と訴えていたFloydさんは、最初の警官たちが現場に到着してから17分後には死亡していました。(https://www.nytimes.com/2020/05/31/us/george-floyd-investigation.html)

改めてニュースを読んでみたら、たかだか偽札を使った(しかも20ドル紙幣!)疑いで、ここまでされていたとは…とこの事件の酷さをますます感じました。

 

でも、今こんなことを書いているわたしですが、つい昨日まで、BlackLivesMatter運動について、またそれについて何かを書くことについて、あまりぴんと来ていませんでした

特に、エストニアに住んでいる日本人であるわたしが、このBlackLivesMatter運動にどこまで口を挟んでいいのかわからなかったし、次々に声明を発表する欧米系の企業や芸能人たち(欧米・韓国・日本)を見て、「この問題になにか言わないと批判されるから、ソーシャルメディアでだけやってるんじゃないのか」というようなうがった見方もかなりしていました。

それに、「なんでBlackLivesMatter運動にだけそんなみんないっせいに声を上げるのだろう?」とも少し疑問に思っていました。アメリカだけではなく、イギリスをはじめとしてヨーロッパ諸国、韓国、日本でも声が上がっていたので。

ただ、そんな思いが昨日変わりました。

 

アメリカのオフィスの同僚たちの話

わたしが働いている会社は、アメリカにもオフィスがあります。

昨日、このBlackLivesMatterについてそのアメリカのオフィスを中心に、zoomで話し合う、誰でも参加自由なミーティングがありました。

わたしは、何かを言いたかったわけではないのですが、とりあえずみんなどんなことを言うのだろうと思って、エストニア時間・夜9時くらいからそのzoomに何気なく参加してみました。

おそらく、そのミーティングの当初の目的は、人事のヘッドを中心に、コロナやBlackLivesMatterのデモなど色々なことが起きている今の状況で疲弊しているであろう従業員を会社としてどうサポートできるかを話し合うことだったと思うのですが、途中から少し様子が変わってきました。

黒人の同僚たちが自分や家族の経験をシェアし始めました。

本当に、これは、わたしが特権を持つ側にいることを認識させられましたが、当事者たちの話を聞いて、やっと問題の深刻さがわかり始めてきました。

泣きながら、いとこが18歳の若さで拘留中に死亡したことを話す同僚。

また、自閉症の息子を持つ黒人女性の同僚は、息子が興奮してしまった時に、まだ彼が12歳で見た目からして明らかに子どもにも関わらず、警官が10人以上やってきて、彼をぐるりと取り囲んだ話をしていました。

彼女自身も、最近UberEatsのような食事デリバリーサービスで食事を頼んだら、お金をすでに支払ったにも関わらず、食事が届かなくて、それを配達員に言ったら、「自分は知らない」の一点張りで、「じゃあマネージャーに話をさせて」と言ったら、彼女に対して警察を呼ばれたという話も。

これは、ニューヨークのセントラルパークで、「犬にちゃんと首輪をつけて」と頼んだ黒人の人に対して、飼い主の白人女性が警察を呼んだ話(https://www.washingtonpost.com/nation/2020/05/26/amy-cooper-central-park/)も少し彷彿としました。

そして、警察が来たら、警察は彼ら・彼女らに何をするかわからないわけで。。。警察が、助けてくれる存在ではなくて、怯えないといけない存在になっているような印象も受けました。

こういう話を聞いていたら、いかに黒人の人たちが警察に怯えないといけない日常を送っているか、を認識し始めてきました。

もちろん、彼らもそのzoomのミーティングでも言っていたのですが、「この感情は他の人にはわからないだろう」と。

ブラックの見た目を持って、日々過ごしていないと警察に対する怖さは絶対に理解できないんだろうと思います。

わたしがコロナでアジア人だからなにか言われるんじゃないかっていう気持ちが非アジア人の人にはわからないのと一緒で。

「一緒」というのは、気持ちがわからないという部分が一緒という意味で、感じる怖さは段違いだと思います。「嫌なことを言われるかも」レベルではなくて、アメリカの黒人の同僚たちの場合、「警察に殺されるかも」な訳で。。。

 

「娘・妻を持ち出さないとフェミニズムが語れない男性」とわたしは一緒だった

一昔前、娘・妻・母を話題に出して、フェミニズムを支持しようとする男性芸能人がアメリカでよくいました、そして批判されていました。

女性差別はどこにでもあるのに(きっとその男性芸能人たちが働いている現場でだってあるはず)、娘や妻のことを考えないとフェミニズムを支持できないのか?というような批判です。

Dad feminismと揶揄されるように、自分が父親になったことと絡めて、女性差別への反対を語る男性は多いようです。

わたし自身も、そういう男性たちは、普段よっぽど自分の特権に無意識なんだろうな、と思っていました/います。

でも、今回のBlackLivesMatterの重要性を、黒人の同僚たちの話を聞くことでやっとわかり始めたわたしも、似たようなもんだな、と思いました。

自分の特権に無自覚で、自分の周りで当事者がいない限り、その当事者たちが直面している問題の重要性に気づかない。

そんな反省もありながら、それでも昨日気づけてよかったし、シェアしてくれた同僚たちのおかげです。

 

エストニアにいる日本人の自分がやったこと。

とりあえず、寄付!と思って、寄付できるところを探したら、さすがアメリカ、いろんな団体が出てくる出てくる。寄付できる団体リストみたいなのまであって、普段から優柔不断なわたしは、どこに寄付したらいいか30分くらいネットを彷徨い続けていました。

で、やっと決めたのが、https://secure.actblue.com/donate/ab_mn

ここに寄付すると、自動的に寄付した分を色んな団体に分けて配分してくれるという、優柔不断なわたしにぴったりな寄付方法だと思ったので、これにしました。

blacklivesmatter_donation

こんな感じで、色んな団体に自動的に配分してくれます。

クレジットカードがあれば簡単に寄付できます。寄付する額も自分で選べるので、少額しかできないけど何かしたいという人にもおすすめです。

あとは、Floydさんを取り囲んだ警官たちの逮捕を求める署名にも参加しました。https://www.justiceforbigfloyd.com/

Floydさんの首を膝で押さえつけていたChauvin警官はすでに逮捕されていますが、残りの3人の警官はされていません。その3人の責任も追及するべきだという署名です。

ネットを調べると、本当にたくさん寄付する先が出てくるので、もっと知りたい人は調べてみてください。

 

「なんでBlackLivesMatterの時だけ声を上げるの?」

日本でも声をあげないといけない問題はたくさんあるし、きっとエストニアにだってわたしが知ろうとしないだけで問題はあるはずです。

で、「そういう他の問題には声をあげていないのに、なんでBlackLivesMatterの時だけ声を上げるの?」と思う人もいるかもしれません。ていうか、わたしは自分でもそう思います。

「他の問題に声をあげていないのに、今回だけ何か言ったら、なんか嘘くさいよなあ」と思ったりしたことも、今回最初はあまり何も言ったり書いたりする気にならなかった理由の一つです。

でも、それは、やらない言い訳にもなるなと思います。「あの問題にも言わなかったし、これもスルーすべきかな」って考えてたら、もう何に対しても行動を起こせなくなるような気がします。

BlackLivesMatterは、普段ツイッターやインスタグラムでフォローしている芸能人たちが毎日のようにその話題について何かしら発信しているので、気にせずにはいられなくなってきた部分もあります。

そして昨日のミーティングでさらにずどんと来ました。

「『他の問題に言ってないから、これも言わないほうがいい』とか思ってる場合じゃないかも」と思って、今日こういうことを書いたり、ちょっとだけですが寄付したりしてみました。

 

余談ですが、昨日のミーティングで、ナイジェリア出身の同僚が、「ナイジェリアではみんなブラックだから差別とか感じたことなかったけど、エストニアに来て初めて、直接的な人種差別を経験した」という話もしていました。

こういう話は、一過性にしないで、常に会社でも議論が続いていけばいいなと思います。ブラックの人たちに対する差別の話だけではなくて、アジア人に対する差別とか、女性に対する差別も。

今働いている会社の上の人たちは、白人の男性が大半を占めています。

前の記事(http://estonian-mania.tokyo/diversity-esotnia-office/)でも、この記事でも書きましたが、当事者にしかわからない感覚ってあると思うので、会社はアクションを起こすだけではなくて、白人の男性が上部を占めている構造自体も本当は変えていくべきなんじゃないかなと思います。まあ、一社員のわたしが思っているだけでは、変わらないでしょうが……。

 

追記*アメリカで些細なことですぐに警察を呼ぶ人が多いのは、銃社会であることも無視できないような気がします。相手が銃をもし持っていたら、殺されるかもしれないと思って、過剰なまでに警察を呼びがちなのかもしれません。これもわたしがアメリカに住んだことはないので、その感覚がわかるとは言えないのですが….。

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